2010年6月23日水曜日

博士課程に進学するということ

たまには、研究以外のことも書きます。

博士課程に進む、ということはちゃんとした信念を持って進めば良いことだと思います。私自身は、修士から博士課程への進学を決めなければいけないときにちょうど米国に研究留学中でした。そもそもアメリカにそのまま残ってUSのシリコンバレーでの就職を目指していた私でしたので、鼻から博士課程など考えていませんでした。しかし、USでの就職というのは、Ph.D 、つまり博士号を持っているか持っていないかで、圧倒的に博士号を持っている方が有利ですし、格段に年収の差が出てきます。それと、USで研究していた研究テーマが SuperComputing という HPC (High Performance Computing) 系では競争率の高い国際会議に採択された、というのも大きな自分への勇気付けにもなったのですが、そんなこんなで、博士課程への進学を決めました。そんな人生の選択をせまられていた時期が、皆さんとあまり大差ない歳だったかと思います。

 博士号を取るということは決して簡単なことではないと思いますが、一番のメリットは、修士で企業に就職して習得できないことが、若くて吸収力のある3年間のうちに得られるということだと思います。ほとんどの企業がトップダウンに戦略を決めていくので、修士で入ってしまうと、その中で決められたプロジェクトに上から言われるがままに遂行するだけで、自らの発想力、プレゼンテーション能力、グローバルに活躍する素養などを身に着ける余裕などありません。しかし、それがある時、必ず必要になってくるのです。私自身、企業に勤めて、修士で入ってくる人材と博士で入ってくる人材を見ますが、格段にそれらの違いがあると感じます。

 ただ、一つだけ注意しなければいけないのは、ちゃんとしたビジョン、3年間で成し遂げておきたいことをしっかり持って博士課程に進まないと、これは逆に良くありません。これらを見極めるというのが、4年生の後半から M1 の冬ぐらいまでだと思います。企業の良し悪し、アカデミックの良し悪し、を私は幸いにも十分に感じています。各自、十分に考えて周りに流されず、進路を考えていってください。


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