2010年1月1日金曜日

鈴村研究室の2010年の抱負

あけましておめでとうございます。今年も研究頑張りましょう。

さて、今年の研究室の目標を列挙しましょうか。まずは昨年から続いているプロジェクトを更に進展させ、きっちりと国際学会まで通しましょう

StreamGPU
  • 卒論、情報処理学会全国大会、SACSIS 及び国際学会での発表
  • 差分データ送信などのデータストリーム処理+GPU ならでは最適化手法の考案と評価
  • マルチ GPU における評価
  • 新たなアーキテクチャ (Fermi) 上での評価
  • SST 以外のアプリケーションを用いた評価
StreamDS (Dynamic Scheduler) :
  • 卒論、情報処理全国大会、SACSIS 及び国際学会に通す.
  • Hadoop との統合(松岡研究室との共同研究)
StreamTwitter
  • パブリックなサービスとして公開する。国内学会、国際学会に通す
  • トラフィックのパターン解析
  • 意味付け(アメダスやインフルエンザ流行度合いなどのトレンド分析)
 次に4月から、新たに3名がメンバーとして加わると予想されますが、新たな研究テーマにも取り組んでいきたいと思っています。具体的には以下の通りです。特に現在では、実データとして Twitter のデータしかないという問題があります。この問題を打開すべく、今年は、鈴村研究室発のセンサーをばらまいて、より多くの実センサーデータを取得できる環境を作り、ミドルウェアの研究に役立てていきたいと思っています。
  • StreamCloud : クラウド上におけるストリーム処理システム: Amazon EC2 / Eucalyptus 上における Elasticity を利用したスケーラブルなストリーム処理システム。さらに Xen や Hypervisor 上での System S の性能特性を調べます。
  • StreamShedder: Load Shedding 技術の追求: SSD などの高速ストレージを用いた高負荷時におけるデータの退避技術。ターゲットアプリケーションとして Twitter などを例に評価すれば良いでしょう。これは松浦君の卒論でフォーカスしている StreamDS を強固にする技術として重要です。Zip の法則などのアプリケーションのセマンティクスを活用した Shedding 手法も考案できるでしょう。
  • StreamAR: 拡張現実システムにおけるストリーム処理技術を用いたスケーラブルなソフトウェア基盤の構築。及び iPhone や Android 上での鈴村研究室発の AR アプリケーションの公開。

  • StreamScript: ストリーム処理の開発生産性の向上: 現在の SPADE/System S では、ユーザーがカスタマイズしたコードを書く際には、別途 C++ でコードを書かなければならず、Agility が低いです。この問題点に対して、Python, Ruby などのスクリプト言語ベースでのユーザー定義オペレーターを記述できるように改良し、開発生産性を向上させます。実装としては、既に Java でユーザー定義のオペレータを作れる JavaUDOP というものがあるので、それを利用して、JVM (Java Virtual Machine) ベースで実装されたスクリプト言語処理系を呼び出すようなアーキテクチャになると思われます。
  • ストリーム処理システムの実装: SPADE のシンタックスは踏襲し、 それを処理するシステムをスクラッチから構築する。
 上記の技術を探求する際に、現実的なアプリケーションを見据えることが重要です。今のところ、Twitter や異常検知のアルゴリズムは実アプリケーションですが、引き続き、キラーアプリケーションを探し、それらのアプリケーションをベースに研究を行っていく体制を確立していきたいと思います。現在、以下のアプリケーションが候補です。
  • スケーラブルなリアルタイム音声処理への応用(新メンバー西井君に期待)
  • 次世代 DNA シーケンサー及びバイオへの応用
  • 楽天などの Web サイトのログ高速処理
  • 環境関係: Live E! プロジェクト, Boston 近郊の気象データ

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